文豪・森鴎外の原作を溝口健二監督が映画化した作品。『雨月物語』(1953)と並び立つ彼の代表作となりました。
幼いころ奴隷として売られ、母親と生き別れた安寿と厨子王の姉弟が、10年の時を経て冷酷な地主・山椒大夫のもとから逃げ出し母親を探す姿が描かれます。
森鴎外の原作と異なるのが設定。安寿が妹、厨子王が兄となっており、作品に大きな影響を与えるわけではないものの、与える印象は原作とは別物となっています。
また、原作が小説ということもあって、それらを映像化しているということも大きな違い。
ジャン=リュック・ゴダール監督が『軽蔑』(1963)でも模倣したという撮影手法など見ごたえのある映像は溝口健二監督の力量を感じられるものとなっています。
放送情報
山椒大夫 4Kデジタル修復版4K101 NHK BS4K
2021/5/31(月) 09:50-11:56
作品概要
1954/日本 上映時間124分スタッフ
監督 | 溝口健二 |
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製作 | 永田雅一 |
脚本 | 八尋不二 |
依田義賢 | |
撮影 | 宮川一夫 |
美術 | 伊藤熹朔 |
編集 | 宮田味津三 |
音楽 | 早坂文雄 |
キャスト
役名 | 俳優 |
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玉木 | 田中絹代 |
厨子王 | 花柳喜章 |
安寿 | 香川京子 |
山椒大夫 | 進藤英太郎 |
太郎 | 河野秋武 |
姥竹 | 浪花千栄子 |